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大晦日の思い出 ~バリ~

旅の最終日、 ジンバランの市場で 思いっきり猫を撮って、 地元の雰囲気も満喫して、 大満足の私。
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でも、 自分が楽しんだ分、 母を置き去りにしたことが 申し訳なく思えてきた。

急いでホテルに戻り、 母に「何してた?」と聞くと、 「メイドさんが マニキュアをしてくれる所を教えてくれて、 行ってきた」と うれしそうに爪を見せびらかした。
なんだ、心配しなくても、 それなりに楽しんでたんだ・・・。   かわいい子には旅をさせろというが、 親にも 旅をさせた方がいいなと思った。

さて、3泊5日の母娘ふたり旅。
帰国便は、12月31日の深夜発。 つまり、2004年の大晦日は ほとんどバリで過ごしたわけだが、 その帰国直前、 忘れられない事件があった。

コトの発端は バリに到着した日にさかのぼる。

バリに到着すると、 どしゃぶりの雨。 もう夕方だったし、 あまり遠くまで出かけるのもな~と、 私と母は ホテルの近くの商店を ぶらぶら覗いていた。

すると、 素敵な洋服が飾られた店がある。 
中に入ると、 生地がいっぱいあって、 その中から好きなものを選んで、 オーダーメイドで服を作ってくれるという。
店を切り盛りしているのは50代くらいの、やさしそうなおばさん。 
英語も日本語もしゃべれないので、 お店にいた息子さんが 片言の英語で 説明してくれる。

バリには 日本人観光客を カモにする輩もいるから、 気をつけた方がいいって聞いてたけど、 この人たちは 見るからにいい人そう。。。  
騙そうにも 日本語をしゃべれないんじゃ騙せないだろうし、 
それに、このお店には
 
猫がいた

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(暗くて、 ブレブレです・・・)

奥には仔猫もいて、 大事に育てられているようだった。 
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猫好きに悪い人はいないと勝手に思い込んでいる私と母は それぞれ服を作ってもらうことにした。
出来上がりは 31日。 帰国する日の夕方だ。
料金の半分を支払い、 残りの代金は 出来上がった服と交換に支払うことになっていた。


約束の大晦日。
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夕方、 店に行くと、 息子さんが留守番をしていて、 お母さんの姿が、 無い。

街に買い物へ行ったんだけど、 どうやら渋滞に巻き込まれているようで、 帰りが遅れているんだとか・・・。

仕方がないので、 店で待つことにしたのだが、 待てど暮らせど、 帰ってくる気配が無い。

1時間くらいは 待っただろうか。

さすがに、 おかしいな、と思えてきた。

だって、 私たちが 取りにくるのは わかってるんだから、 服は 店に置いておけばいいじゃないか。
留守番の息子がいるんだから、 残りの料金は 息子が受け取ればいいんだし。

「どうなってるんだ!?」と詰め寄っても 息子は弱った顔をするばかり。
だいたい、 この息子もヘラヘラして、 やさしそうな素振りで 騙そうとしてんじゃないのか?

お腹も空いてきてたし、 余計に いらだってきた。


しかし、 みすみす騙されるのも悔しい。

私は 店に飾ってあった いちばん高そうな服をもぎとって、 
「出発までホテルで待ってるから! これは来てくれるまで、預かっておくから!」と言い放ち、ホテルに戻った。


私と母は ホテルのロビーにあるレストランで 夕食をとりながら、 お母さんが来るのを待った。

待っているあいだ中、 私は とても悲しい気持ちでいっぱいだった。 
とりあえず支払った代金分の服は手に入れたけど、 モノとかお金の問題じゃない。
 
あんな 人の良さそうな顔をした人が、 人を騙すんだろうか・・・?
短い時間だったけど、片言の英語でいろいろ話して、 何となく いい人だな~と思っていたのに、 私は、裏切られたんだろうか・・・?
そうだとしたら、 とても悲しい。

沈んだ気持ちのまま、 夕食をとっていると、 母が 「あっ・・・」と 声を上げた。

振り返ると ロビーを走ってくる お母さんが見えた。

とても慌てた表情で 私に駆け寄ってくる。
その慌てた顔が だんだん ゆがんで見えてきた。
気が付いたら 私は 号泣してた。
良かった・・・。 やっぱり 悪い人じゃなかったんだ・・・というホッとした気持ち。
そして、 最後まで信じきれなくて ごめんなさいという気持ちが いっぱいになって、涙があふれ出てきた。

裏切ったのは、 私の方だったんだ。 
一生懸命 事情を説明してくれた息子さんに対して、 ひどいことをしてしまった・・・。

息子さんから 事の次第を聞いたお母さんは、 慌ててホテルにやってきて、 ひたすら私に「ゴメンね。 ゴメンね。」と 謝ったのだった。

自分のしたことを悔やんで泣きじゃくる私を、 お母さんは抱きしめて、 そして、出来上がった服を 「着てみて」と 差し出した。
サイズもぴったり着心地がよくて、 とても素敵に仕上がっていて、 大・大・大満足

バリでの、 いちばんの思い出。
人を信じることの難しさ、大切さを考えさせられた出来事だった。


別れ際、 お礼に 一緒に駆けつけてくれたお父さんと写真を撮ったけれど、
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暗くて ブレブレ・・・。






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by a-nekotabi | 2009-01-01 00:37 | バリ | Comments(1)
Commented by ina at 2009-01-02 10:48 x
海外での出来事だから仕方がないのではと考えもします。
同じことが日本で起きたとしたら、
きっとここまでしないだろうと思いますしね。
改めて人を信じることの大切さを考えさせられました。
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