個展が終わって1週間。
気がつけばGWも終わってました。 世の中が止まっている間に せっせとたまっていた作業を片付けたら、なんとか元の自転車操業に戻りました。 あらためて、個展にお越しいただきました皆さま、さまざまなカタチでご協力いただきました皆さまに感謝申し上げます。 ありがとうございました。 今回の個展を振り返って、勉強になったこと、反省したこと、感じたことはいろいろあります。 ここで何を書いたらいいのか、悩みましたが、今さらながら どういう想いで作品を選んでいったのか、書き留めておこうと思います。(長くなりますが、ご容赦を・・・) 当初の私の案は、去年 東京でのグループ展のときと同じように、各土地4枚程度、それぞれの土地の雰囲気が伝わるような写真を並べて、居ながらにして猫旅を楽しんでもらうような内容にしようと思ってました。 選んだ土地は 今回の展示の他にも 尾道や山口県祝島、宮城県田代島、台湾なども候補に入れていました。 ・・・が、先生からの意見は「壁ひとつにつき、1箇所にした方が良い」 これがまた私にとっては試練でした。 まず、どこの写真にするか? 私なりにそれぞれの場所には思い入れがあるので、本当に悩みました。 今でも あのセレクトが最良だったのかどうか、わかりません。 それと、場所を絞り込んだことで、1ヶ所で取り上げる写真が多くなりました。 改めて これまで自分が撮ってきた作品を見ると、たくさん撮ってはいるけど、ひとつひとつのクオリティがあって、 なおかつ、ずらっと並べた時に違和感がなく、バラエティに富んだ写真って、意外に少ないんですよね~。 で、何とか出来上がったのが、 東京 人間の都合で作り上げられた土地に、人間の都合で捨てられたり、追いやられたりしている猫たち。 でも彼らは彼らなりに たくましく生きている姿を見ていただきました。 かわって石川 以前、北海道に移住した友人が「北海道は人が優しいんだ~。冬の寒さが厳しいから、みんな一致団結しないと冬を乗り越えられないだろ~?だから、お互いを思いやることができるんじゃないかな~」と言っていました。 気候が厳しいと人は優しくなるのか?・・・実証はありません。 しかし、この小さな集落の人からは 何となくそんな印象を受けました。 誰にでも彼にでも優しいわけじゃないけど、関わりあった人には温かい。 ここに暮らす猫たちも、そんな人たちが周りにいてくれるから、生きていけるのです。 マルタ共和国 写真的にキレイな分、先生も「こっちの写真の方がいい」とか「これはイマイチ」とか、セレクトに気合が入ります。 おかげで、自分の思い通りにならないことも多く、ここの展示が一番苦労しました。 何といっても、 あの「すれ違い猫」を どこに展示するか。 先生は開口一番、「この写真は外に飾る」と言ったのです。 いわく、「これを飾っておけば、偶然通りかかった人も入ってくれる」ということなのです(そうおっしゃっていただけるのは有難いことなのです)が、 ・・・でも、外に飾ると 私は(この写真は絶対、間近で見て欲しい)と思っていたのですが、先生の意見には逆らえません。 仕方なく、「すれ違い猫」の写真を抜いたカタチで、中の展示を考えました。 それと、「すれ違い猫」の隣の、おじさんが微笑んでいる写真。 これも評判が良いし、おじさんの人柄が表われてて、自分も好きな写真なので、とても大切に思っていました。 ・・・が、先生が当初「コレもいいんじゃない?」と並べた作品の中には、おばあさんが写っている写真がありました。 私は(おばあさんの写真を入れると、おじさんのインパクトが弱まる)と思えて、これも不本意でしたが、先生の意見には逆らえません。 結局、搬入ギリギリまでモヤモヤした気持ちを抱えていました。 が、ここからは確信犯。 搬入当日、一旦 飾り付けを終えて、眺めて、やっぱり納得いかなかったので、先生が隣の塾生のみなさんの展示をされている間に、「すれ違い猫」を中に持ってきて、おばあさんの写真を、用意しておいた差し替え候補の作品と入れ替えて、思い通りの展示にしてみました。 (やっぱりこっちの方が、いいよな~)と、さりげなく「先生、ちょっと変えたんですけど・・・」とチェックしてもらったら、OKが出ました。(先生、ごめんなさい) ・・・とまぁ、最終的には 自分の思い通りの展示にしたものの、苦労しました。 そして最後に持ってきたのが 神島 かつて神島灯台にいた猫たちは、灯台前の監視所が無人化されてから世話をしてくれる人がいなくなり、この場所で暮らすことができなくなりました。 猫を捨てる人の中には「猫は野性的だから、野生でも暮らしていける」と言う人がいます。 でも、猫は野生動物ではありません。 猫は、人がいないと生きてゆけないのです。 そんな事を伝えたくて、この子たちを最後に持って来ました。 最後の1枚は、朝、職員の方が出勤してくるのをじっと待つ猫のうしろ姿です。 私は、この猫の姿を見ると、今でも切ない気持ちでいっぱいになります。 今回のセレクトが良かったのかどうか、見ていただいた方々に判断してもらうしかありません。 ですが、私は私なりに、拙い写真でも なんとか見て感じていただけるように頑張ったつもりです。 東京=都会で暮らす猫、 石川=昔の村の雰囲気が漂う場所で暮らす猫、 マルタ=海外で暮らす猫、 神島=島の猫 ・・・と、これまで私が撮影してきた場所を、かぶることなく網羅できたし、 何より、先生の助言で場所を絞り込んだことによって、より深みのある展示にするにはどうしたら良いのか、考えることができました。そして、そのために今の私に何が足りないのか、改めて考えることができました。 会場では温かいお言葉もたくさんかけていただき、うれしかったです。 またそのことは次回の記事で触れたいと思います。 ありがとうございました。ポチッとね!! →
by a-nekotabi
| 2010-05-06 23:59
| 愛知県
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Comments(2)
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by
ina
at 2010-05-07 20:53
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僕は、マルタ共和国の猫が懐かしかったです。
こちらのブログが開設された最初の写真たち。 早川さんの猫の思いを今まで見た写真以上に早川さんの言葉で感じたこのブログ。 その最初の猫達です。 人との暖かいふれあいに生きる猫を知った写真。 改めて見てよかったです。 僕も、それぞれの猫たちの写真に思いを感じていましたから、改めて会えてうれしかったです。 また、すれ違い猫を見られましたしね。
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a-nekotabi at 2010-05-09 01:06
>inaさん
そうですね。。。マルタの猫でこのブログを始めて2年。 ブログを始めてなかったら、去年の東京での写真展はなかったし、 去年の写真展がなかったら、今回の個展はなかったし・・・。 て考えると、ブログもちゃんとがんばらないとね~(^^)
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