行きのタクシーは遠回りをしたおかげで、
かつて某メーカーの集金で あちこちの集落を行き来していたという運転手さんから、いろんな話を聞けた。 海沿いを走るタクシーの窓から、荒波が打ち寄せる岩場を 腰をほぼ90度に曲げたおばあちゃんが歩いているのが見えた。 「何をしているんだろう」と聞くと、運転手さんは「海草を取っているんだ」と教えてくれ、その海草が いかにうまいかを語ってくれた。 ある集落を通りかかった時には 「このあたりの人たちは開墾できる土地が狭く、田畑が山の向こうにあるから 昔はみんな 朝から弁当もって農作業に出かけちゃって、 昼間来ても誰もいなかったよ」なんて話をしてくれた。 そんな話が、「納棺夫日記」とともに、私の心の中に刻まれていたようだ。 猫を探しながら歩いていたら、 猫はおろか、人っ子ひとりいない、雪が降り積もった畑に出た。 小高い場所にある誰もいない畑で、 ひとりたたずみ、目の前に広がる日本海を見た。 海から吹きつける風が冷たくて、顔が痛かった。 暖かいところへ行きたかった。 ふと、タクシーの窓から見た腰の曲がったおばあちゃんや、昔、山を越えて農作業に向かった人々のことが思い出された。 昔の人は辛抱強かった。 ちょっとくらいの寒さや大変さに、愚痴なんて言わなかっただろう。 「それが当たり前だから」と黙々と生きる作業を続けたのだろう。 それにひきかえ、今の私はどうだろう。 ちょっと寒いと外に出たくないし、暇さえあればゴロゴロしていたい。 生きる力は、昔の人に比べて確実に低下しているよな・・・と思った。 ふと、山の向こうから、ガタガタと工事をしているような音が響いてきた。 どこかで道路工事が行われているようだ。 そうしてまた、人々の暮らしは便利になるのだろう。 でも、便利になることで、 瑣末なコトでもポチッとね!! → ~~~~~お知らせ~~~~~ 初個展開催!! 2010年4月23日(金)~29日(木・祝) 富士フィルムフォトサロン名古屋にて
by a-nekotabi
| 2010-03-13 02:14
| 石川県
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Comments(1)
Commented
by
ina
at 2010-03-14 19:13
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「生きる力」。
「生命力」とはまた違うことですよね。 いにしえの生活は、日々の生活自体に活力がありましたね。 今は、便利になりすぎたためか、引いて見ると、怠惰な生活感を感じます。 「面倒でも、それが当たり前」「やらないことには先へ進めない」 便利になってくると、そんなことすらわからなくなってくるんでしょうね。
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