アメリカでアカデミー賞の発表があって、新聞やらワイドショーやニュースやらでは、その話題でもちきりでした。
個人的には、日本のイルカ漁を告発したドキュメンタリー映画が受賞したことに、 「おいおい、クルマの次は、食文化でジャパンバッシングかよ」と突っ込みを入れておりましたが、 アメリカの一般の人々は この映画をどんな風にとらえているのか分かりませんし、まだ映画を観たわけでもないので、これ以上、何も言わないでおくことにします。 そうそう、昨年のアカデミー賞では「おくりびと」が外国語映画賞を受賞し、各局一斉に アカデミー賞バンザイな報道でしたが、今年はどこも微妙な感じでアカデミー賞を伝えていたのも、興味深かったです。 遅ればせながら、その原案となった青木新門さんの「納棺夫日記」を、今回の北陸ツアーと前後して読んでいました。 映画の撮影地が確か、東北の方だった(調べてみたら山形でした)ので、「納棺夫日記」もてっきり東北の人が書いたと思っていたのですが、著者である青木新門さんは富山の人でした。 北陸というのは、なんとなく、いかに生きて、いかに死ぬかを否応なく考えさせられる風土だと今回の北陸ツアーで感じたのですが、それは この本の影響だったのかもしれません。 行きのタクシーの中で、運転手さんが「このあたりの人は、今でも自宅で葬儀をしたがる人が多い」という話をしてくれたのも、単なる偶然ではないような気がします。 「納棺夫日記」の最初の章で青木さんは、納棺夫になりたての頃の揺れる想いを、 北陸特有の気候風土を効果的に取り入れ、描いています。 そしてまた、日本特有の生死に対する考え方をみぞれになぞらえて語っています。 青木さんの想いとは別に、最近 私が考えているのは「人間のカラダには晴耕雨読のDNAが組み込まれている」という説。(学術的な説ではありません。あくまでも、私の説です。) 晴れた日は外で農作業をし、雨の日は家で本を読むという、古来、日本の農耕文化の中で連綿と受け継がれてきた遺伝子は、現代人の中にも、いまだ息づいていると思うのです。 だから、 晴れた日はデスクワークは はかどらない。 晴れた、太陽の光が燦燦と降り注ぐような日は、本来、外に出て活動するように人間の脳や体はセットされている。 ウチにこもってコツコツやるデスクワークや思想を深めていく作業は、太陽の光が届かない雨の日だったり、夜だったり、地下室の方が適している。 で、この説にのっとると、北陸の、特に冬の気候 ・・・雨だったり、降らなくてもどんより低い雲がたれこめていたりする気候は、はつらつと外に向かっていくよりは、内に向かって思考を深めていきたくなるような気候だと、私なりに解釈できるのです。 だから、 きょうもポチッとお願いします!! → ~~~~~お知らせ~~~~~ 初個展開催!! 2010年4月23日(金)~29日(木・祝) 富士フィルムフォトサロン名古屋にて
by a-nekotabi
| 2010-03-10 03:20
| 石川県
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Comments(4)
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ina
at 2010-03-10 18:41
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「晴耕雨読のDNA」わかる気がします。
人間は太陽の陽を浴びて生きています。 一日の中でも陽を浴びている時間を、浴びていない時間で体内で行なわれている(細胞レベル)ことが違うをききました。 人間の生活、生き方には太陽の陽とは切っても切れない繋がりがあるんですよね。 若い頃、夜型だったから気にならなかったのですが、 年をとると、そんなことも肌で感じるようになりました。 だから「晴耕雨読のDNA」は納得です。
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a-nekotabi at 2010-03-11 00:10
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HARADA
at 2010-03-11 21:50
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太宰治や、宮沢賢治など、日本の文人は
東北出身とか、寒い地域が多いですよね。 沖縄とか、暖かい気候では、 アレコレ考えるより、全身にお日様を浴びて、 のんびりしたくなりますもん(^^)。 着々と写真展準備進んでいますね。 楽しみです。
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a-nekotabi at 2010-03-12 00:17
>HARADAさん
そうそう、「納棺夫日記」では宮沢賢治のことも頻繁に書かれているんですよね~。 稲作に大打撃を与える冷害が頻発するような岩手の気候が、宮沢賢治という稀有の文人を育んだとも言えるのかも・・・。 私も内面を磨きながら、良い写真展を開催したいなと思っております。
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